あいのあるいえ、鳳鳴

 

 秋田県北部に位置する大館市の、校名の由来にもなっている鳳凰山を仰ぎ見る地に学び舎を構える本校は、明治31年(1898年)に秋田県第二尋常中学校として設立され、秋田県第二中学校、「大中」と呼ばれた秋田県立大館中学校への改称を経て、昭和23年(1948年)に現在の大館鳳鳴高等学校となりました。今年度で創立126周年を迎える長い歴史と、2万9千人を越える総卒業生数を誇る県北地区の伝統校であり、「質実剛健」、「自律共生」、「進取飛翔」の校訓の下、地域社会のみならず日本や世界のさまざまな分野で活躍する有為な人材を多数輩出している進学校でもあります。

 

 土井晩翠先生が作詞し東儀鐵笛先生が作曲した校歌は我が校の誇りですが、その2番にある「難きを破りはげしきを 凌ぎ理想の影追はむ」の歌詞と、3番の「師弟おのれの行先の 重き使命を忘れめや」は、校訓の「質実剛健」や「自律共生」とともに鳳鳴生のあるべき姿として生徒たちの胸に刻まれており、高い志をもち、自らを律し、切磋琢磨しながら困難を打ち破って理想を追求しようとする校風があります。
また、鳳鳴生は同窓生も含めて愛校心が強く、「大中」時代から昭和にかけてはバンカラの校風があり、かつては厳しい応援歌練習や学校を目指して夜通し歩き続ける強歩大会などが本校の名物だったことなどから、年配の方を中心に伝統的で保守的で厳しい学校というイメージをもつ方もいます。

 

 しかし、その一方で伝統的スタイルの応援団にチアがあったり、運動会がドーム球場で行われたりと、もう一つの校訓「進取飛翔」が示すように新しさにチャレンジする気質もあり、また、今の在校生には相撲ジュニア女子の日本代表や着物の装い女王、俳句の日本一、江差追分の全国大会出場者がいたりと、運動部や文化部だけでなく、さまざまなスポーツや文化的活動で全国レベルで活躍する生徒がいるなど、個性や出る杭を大切にしようとする精神もあります。生徒は日々切磋琢磨するばかりではなく、鳳鳴祭やさまざまな行事に必要以上に全力投球してしまうなど、鳳鳴生らしさを遺憾なく発揮して楽しく充実した青春の日々を過ごしており、また教員も、そのような生徒に愛情をもって厳しくもあたたかく接し、師弟の絆を深めております。

 

 地域からの期待が高く、高いレベルでの自己実現をめざす学校として厳しさが求められる一方で、個性が輝き学び舎に笑顔があふれる学校。HOMEにIがあるのがHOMEIです。ウェブサイトをご覧いただき、ぜひそのことを感じ取っていただければ幸いです。

 本校の教育活動にご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

令和6年4月 校長 深井裕之